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北海道ラーメン堪能 ~時間と胃袋には限りがある~ 


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 小樽近くで下車すると、近畿ではあまり見かけることが無い除雪車が停まっている。雪景色に囲まれた生活は、雪の馴染のない自分にとって憧れではあるが、庭先の大きな雪かき用のスコップや灯油のタンク、除雪車や融雪剤、下半分がドロドロに汚れた車などを観察すれば、直ちに大変な生活であることを知ることになる。

 札幌雪祭りが終わり閑散としているかと思いきや、相変わらずのインバウンド効果絶大で、札幌市内のみならず至る所で外国人を見かける。普段から特に中国人、台湾人、韓国人の観光客が多いため、彼らが道に広がって闊歩する姿や所謂爆買の風景は日常と化していることもあり、地元の人の話によれば、欧米からの旅行者を特に“本物の外国人”と呼ぶらしく、雪祭りの時期には本物の外国人が、わっ押し寄せたかと思うと、雪祭りが終わってしまえばいつもの日常に戻っているとか。インバウンド効果、つまりは爆買が最も分かりやすい効果ではあるが、その光景を目の当たりにして、一昔前に日本人が海外でブランド物を買いまくっていたのと重なってしまう。

 思えば実に15年ぶりの北海道。北海道と言えば海産物であるが、残念なことに甲殻類アレルギーであり生モノが苦手ということもあって、北海道の食の魅力の大多数をデフォルトで放棄してしまっているが、北海道と言えば味噌ベースの美味いラーメンが待っている。間隙を縫って、久しぶりに北海道の美味いラーメンを味わってみよう。


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札幌 炎神別邸 瑞(しるし)
〒060-0062札幌市中央区南二条西4-4
狸小路四丁目商店街
http://n43engine.com/kodawari.html


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炎神味噌ラーメン 980円

 午後8時に札幌市に到着し、素早くホテルにチェックインした後に狸小路商店街にある炎神へ。炎神の本店の方には、行列が見えるため、別邸と書かれたお隣の炎神瑞(しるし)の扉を開けた。店内は、地元の人や台湾人と思しき人達で賑わっている。席について5分もしないうちに器が運ばれてくる。まずはスープを啜ると、濃厚で塩分が強めの味噌スープが圧倒的な勢いで押し寄せ、ゴロゴロの叉焼を口に放り込むと豚肉の脂がジュワリと染み出て、そしてシャキシャキの玉葱で清涼感を満たし、続けざまに薄切りの叉焼に突入すると、プルプルの脂が口中に溢れてホロホロと豚肉が分解して旨味が広がり、ここぞとばかりに細めの麺を啜れば、あぁ混然一体の至福の時間が訪れる。糸唐辛子のさりげない刺激と、麺の奥底に潜む濃厚な玉葱のみじん切り、ふんわり茹で卵が脇役ながらも抜群の存在感を示す。スープまで飲み干して完食。


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 最近は、このような三角錐をひっくり返したような器を良く見かける。意外にも麺が沢山入っている。


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旭川ラーメン梅光軒(札幌らーめん共和国店)
〒060-0005 札幌市中央区北5条西2丁目エスタ10F
http://www.baikohken.com/

 2日目の昼食はJR札幌駅近くの商業施設にある“札幌らーめん共和国”へ。10店舗近くのラーメン店が入っていて、どのラーメンを食べるか悩んでしまう。何しろ、北海道滞在中の食事の回数には限りがあるし、何より我が胃袋にも限りがあるので、絶対に失敗は許されない。っが、昼食時間にも限りがあることが判明して、素早く食べることが出来る店が大前提になり、必然的に待ち行列が少ない店がその候補となる。


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炙りばらトロチャーシュー麺 1,000円

 まずはスープを啜ると油分少なめ濃厚味噌が舌を捉える。遠慮深げに横たわるメンマで気持ちを落ち着かせてから、器の中で圧倒的な存在感を示している炙り叉焼を放り込むと、ああ刹那、見た目からは想像できないお上品な脂がジュワジュワと染み出てきて、噛みしめると仄かに豚肉の甘い香りが鼻から抜けたかと思うと旨味が口中に広がり、時折弾けるゴマが絶妙な合いの手を入れている隙に中細ちぢれ麺を啜ると完璧な美味さが広がる。満を持して、煮玉子に食らいつくと、濃密な黄身が醤油味とともに攻めてくる。シャキシャキ葱で緩急つけつつ、蓮華でスープをもどかしく掬っては嚥下すれば、器の奥底には、すりおろされたニンニクが待ち受けていたらしく、突然、味が変わり、箸と蓮華を動かす速度が倍増する。あっと言う間に完食。美味い。


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 夜は定番のジンギスカン。生ビールと厚切りのラム肉、そして談笑が夜更けに充実感を与えてくれる。


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ラーメン空 本店
北海道札幌市中央区南3条西5丁目20-2

 酔いどれつつ2次会を終えて、更に深い夜を楽しもうとしている人達から離脱して、本日を綺麗に締め括るべく有名店へ。深夜だと言うのに店内は満席で、しばし寒風に肩をすくめながら待機。すでに腹8分目以上に達しているが、残された胃袋の空隙も少ないが、それ以上に残された機会も少ないため、デブ覚悟で列をなす。


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チャーシュー麺 950円

 待つこと数分にて店内に。店内を見渡せば、何から何まで古ぼけているが、深夜にして満席の光景を見ると、老舗ならではの年季と貫録を感じてしまうから不思議だ。ルーティンの如く、まずはスープを啜ると、塩分少なめの豚骨ベースの味噌味が、アルコールで痺れて怠けている舌を目覚めさせ、そして胃袋に到達する頃には、キリリと目が覚める。見るからに食欲を刺激する叉焼を口に放り込むと、これまた絶妙な脂と肉のバランスで、ジュワジュワトロトロと溶け出して旨味が爆発する。メンマと葱で驚きを押さえつつ、太めの麺をチュルチュル啜って、もちもちした噛み応えを満喫した後に何気なく海苔を食べると、そこには新境地が待っていて、冬の北海道の荒れ狂う海を見たことは無いが、脳裏に青黒い海がドドンと映し出されて、濃厚なスープにも負けずに海藻の香りが一気に広がる。器の端で、いつも申し訳なそうに張り付いている海苔は、てっきりただのお飾りだと思っていたが、ここまで存在感のある海苔に初めて出会い、すっかりと酔いが覚める。


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 “そら”のラーメンを空にして夜は更けていく。


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マルトマ食堂
〒053-0012北海道苫小牧市汐見町1丁目1番13号
http://marutoma-shokudo.com/

 場所は変わって苫小牧。地元の人達や観光客に人気の食堂へ。


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 地元の漁師さんのために早朝5時から営業しているという。昼時になると店内は満員で、店の外にも長蛇の列。店内の壁や天井には、びっしりと色紙が埋め尽くされている。きっと有名人のものばかりであろう。良く見ると、巨大な鮭の燻製が泳いでいて、いつかこんな大物をルアーで釣ってみたいなと夢見ながら、現実的な昼食に突入する。


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 店の入り口にこんな新聞記事が。


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 突如、店の親父さんが加勢することとなり、“早く味噌汁を出してぇ”、“席空いてるからお客さんに座ってもらってぇ”、“はい、ホッキカレーみっつぅ”、“そちらのお客さんの注文聞いてぇ”、“ほらほらもっと無駄なく動いてぇ”、“斉藤さん、早く出してぇ”、“ホッキカレーよっつぅ”などなど怒涛の如くの指令が下り、親父さんの息子さんをはじめ従業員の方々は大わらわ。親父さんの加勢により、先ほどまで店内に保たれていた秩序、均衡、平和、安全、安心が脆くも崩れたのか、従業員の動きが余計に乱れ混線し、自失茫然、立ち往生しばしば、注文ミスしばしばで、満員の店内の混乱に拍車がかかる。注文ミスで行き場のないカレーが右往左往していた時に、親父さんの少し落胆したような寂しげな顔が印象的であるが、料理の美味さと安さのみならず、この親父さんの客に対する本気の姿勢もこの店の人気の秘訣であろう。


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ホッキカレーラーメン 1,000円

 クソ忙しい時間帯に、どうやら手間のかかるものを注文してしまったらしく、同時に着席した同僚達は、素早く満面の笑みを湛えてホッキカレーライスを平らげて店の外へ。ようやくにして登場したのは大きな器ギリギリに盛られたホッキカレーラーメン。ホッキのカツはホクホクで弾力があり、噛みしめると貝の旨味がジリジリと浸みだし、海鮮出汁が凝縮された濃厚カレースープが冷えた身体をグイグイと温めてくれる。ホッキガイとモヤシの下に埋もれた麺は、懐かしの焼きそばのような麺でモチモチとした食感が抜群。細心と万全の注意を払いつつ、暴れる麺を懇切丁寧に制御しつつ食べ進む。額に汗が滲み、鼻水が滴り、舌をやけどしつつ、名物ラーメンを完食。

 痛恨の極みであるが、あんなにも注意を払っていたにも関わらず、淡いピンク色のYシャツに、小さな黄色の点々多数。


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苫小牧市公式キャラクター


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新千歳空港ターミナル内にある“北海道ラーメン道場”
http://www.new-chitose-airport.jp

 すでに語彙の少なさが露呈して、同じような表現ばかりになりつつあるラーメン食い倒れであるが、2泊3日の貴重な時間は遠慮なく過ぎていき、気が付けば神戸への復路を残すばかりとなり夕刻の新千歳空港のターミナルに。飛行機への搭乗まで僅か1時間。お土産調達の合間に最後のとどめにラーメンを食することに。


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旭川ラーメン 鷹の爪
新千歳国際空港 国内線ターミナルビル3F
http://takanotsu.me/

 10店舗からこちらのお店を選択。


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龍の極 980円

 これで最後の北海道ラーメンとなると、箸を持つ手、蓮華を持つ手にも力が入り、必然的に鋭い眼光とともに神妙な顔つきになり、明かに緊迫感漂うオーラが出ている筈であるが、可愛いらしい女性店員の和気あいあいとした応対からすると、美味そうなラーメンを目の前にして、眦を下げて半分にやけているただのオッサンのひとりであるに違いない。


 さて、いよいよ語彙の枯渇との勝負であるが、邪念を振り払ってスープを啜ると、焦しラードの脂とともに豚骨と味噌のスープが唐辛子の刺激とともに濃厚さを発揮し、いかにも育ちの良さそうなメンマを口に入れると、初対面にも関わらず安心感のある上品な甘みと歯応えで、瞬時にして脳に空腹信号が伝達され、鼻息荒くラーメンを啜ると、何処か懐かしい風情を感じ、よくよくスープを味わってみると魚介の旨味がジワリと染み出てきている。あまり必要でないと思われるキクラゲを口に放り込むと、やはりあまり必要でないなと言わざるを得ないが、シャキシャキ葱が緩急をつけてくれる。満を持して叉焼を齧ると、無念、ポソポソではないか。今更であるが豚バラ叉焼がたんまり乗ったラーメンがあったことに気が付くが後の祭り。精神的にくじけそうになるが、何とか踏みこたえてスープを飲み干して完食。


 結局、北海道に滞在した2泊3日で、朝食2回、昼食2回、夕食3回の合計7食のうち、朝食2回はホテルで食べたため、残り5回の食事をラーメン4回、ジンギスカン1回、飲み会の後の〆にラーメン1回と、輝かしい成果をもって旅を終えることが出来た。これもひとえに、北海道のラーメンの種類と店舗数の多さ、更には店独自の工夫を凝らしたラーメンの多さ、つまりは北海道ラーメンの懐の深さによるところが大きいと思われる。北海道ラーメンに感謝である。死ぬまでに、いや糖尿病などの成人病にかかってしまう前に、食事制限が必要になってしまう前に、今度は純粋なる観光で北海道を訪れて、心行くまで北海道ラーメンを堪能したいところである。さらば北海道、また逢う日まで。
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コメント

!!!

こんばんわ
いや~巡りましたね~
ここまでやれば満喫じゃないですか

自分なんか地方に仕事に行っても
終わるの夜中なので・・・結局吉牛とか
札幌の吉牛・・・肉が違うのか?・・・
なわけないでしょ!で終わりですもん
いやはや羨ましい限り

味噌・・・・
今夜は徹夜なので・・・・食べちゃおうかな~

yutkun #- | URL | 2016/02/23 19:13 * edit *

yutkunさま、こんばんは~

いやぁ~本当に満喫しましたよっ。十数年前に北海道で食べたラーメンがいまいちだったこともあって、実はあんまり期待していなかったんですけど、進化した味噌ラーメンに驚きました。

っで、昨夜は飲み会があり、帰り際に家系ラーメンがあったのでついつい立ち寄ったのですが、関東で食べる家系ラーメンとは雲泥の差で、しょっぱいだけでダメでした。麺なんて刀削麺かっ!と突っ込みたくなるほどゴテゴテ・・・うぅ~。

釣りに行けずに食ってばっかです・・・トホホ。

donfan #mQop/nM. | URL | 2016/02/25 22:35 * edit *

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